![インディアン・サマー騒動記 (ミステリ・フロンティア) [単行本] / 沢村 浩輔 (著); 東京創元社 (刊) インディアン・サマー騒動記 (ミステリ・フロンティア) [単行本] / 沢村 浩輔 (著); 東京創元社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51R9HU%2B8ykL._SL160_.jpg)
超常現象としか思えないような謎を、さらりと見事に解き明かす大学生・佐倉。彼とその友人たちが立ち向かう謎解きの日々を7編に収録。
前半の3 編(「夜の床屋」、「空飛ぶ絨毯」、「ドッペルゲンガーを探しにいこう」)は、まさに彼らの人物紹介を兼ねた、どちらかといえば軽量級の物語。でも、「夜の床屋」は2007年の「ミステリーズ!新人賞」受賞作だ(後に「夜の床屋」と改題)。
後半に用意された4編はひと味違うもの。
東京創元社の主宰する「ミステリーズ!新人賞」最終候補作(2006年)となった「『眠り姫』を売る男」を核に据えた書き下ろし連作(「葡萄荘のミラージュT」、「葡萄荘のミラージュU」、「『眠り姫』を売る男」、「エピローグ」)は、見事に構想を広げたスケールの大きい作品へと変身。読み応えのあるシリーズとなっている。
北陸を舞台にした物語が英国へ飛び、一転違う話になるかと思いきや、冒頭の三作も含めて見事に絡み合う物語になる。最初から構想されたものか、後付けで物語を創作したものか、その秘密を知りたくなる出来。
ラベル:沢村浩輔